ほのぼ能「藤戸」 2014/6/29 13:00

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さて本年の「ほのぼ能」は新緑の萌える初夏に予定しております。

 平成26年 6月29日(日) 午後一時開演 午後四時頃終演予定

緑翔会 能ノ会 ほのぼ能「 藤 戸 」 

昨年同様に梅若六郎玄祥師(芸術院会員・)、山本東次郎師(人間国宝)にご出演を賜り

さらに本年は宝生閑師(人間国宝)もご出演を賜りまして一日をご堪能頂きます。

 本年の能は「 藤 戸 」 を御覧頂きます。
 平家物語の「藤戸合戦」を典拠とする古典の代表作の一つです。
 戦の折、浅瀬の存在を浦の若者から聞きつけた佐々木盛綱(ワキ)は、浅瀬の秘密を隠す為に若者を殺め、合戦で功をあげ、その後、恩賞に児島を拝領し入部します。その盛綱の元に先の若者の母親が訴訟に訪れ、盛綱は当時の有様を物語り、若者を弔います。
 前シテは子を失った母親。舞としての所作はなく、内面を如何に満たし表すかを求められます。
後シテは殺められた若者。能の多彩な所作での表現にて凄惨な趣を包み込む繊細な役です。
 物語を読むと、戦禍での民間人の落命から「反戦」を連想させる能として受け止められますが演出面には、盛綱自身による当時の様子の独白と、その後に弔いをさせる構成となっており、いわば「冥福を祈る」ことに重きを据えた「救い」の一曲です。
 また、狂言・仕舞も充実した一日です。是非ともご高覧賜りたく、ご案内申し上げます。
ご多忙の事とは存じますが、皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。
 時節柄、ご自愛くださいませ。                       敬具

  平成二十六年 五月吉日        緑翔会 能ノ会