梅若会 定式能 「景清」「海人 窕」 他
平成27年 6月 21日(日) 午後 1時開演
於・梅若能楽学院会館
梅若会では本年一年間を御先代の追善会とし、
お弔いに因む演目が連ねられております。
6月の公演では「親子」をテーマに、
「景清」「海人」が上演されます。
「景清(かげきよ)」
史実にも強者として名高い景清は平家の盛衰、行く末の儚さを憂いて
自ら両目を穿ち盲目となり日向(宮崎)で余生を過ごしています。
そこへ、鎌倉に残していた娘が遙々、父を尋ねて日向まで訪れます。
落ちぶれた自身の姿を恥じて娘を避ける親心、遊女との間に娘として
産まれた身の不遇を嘆く子。
親子両者の感情描写は二番目物(武将の演目)のなかでも特異な演出で
勇者・景清の人間性を映し出す設えの一曲です。
「海人 窕(あま くつろぎ)」
「藤原房前」の出生説話からなる一曲です。
彼は祖父に大化改新で有名な「中臣鎌足(後ノ藤原鎌足)」、
父に「藤原不比等(淡海公)」をもち、藤原北家の始祖とされます。
高貴な人物ですが、身分の卑しい海人を母にもつとの説話が室町期より伝わります。
作品構成としては、母と子・陸と海中・現世とあの世といった、
多くの対比描写が楽しめます。
なかでも「玉ノ段」の下りでは、謡も舞も聞きごたえ見ごたえのある、
人気の一場面です。
室町時代から伝わるこの曲には、「人力による演出の可能性」が詰まっています。
古人は三間四方の限られた舞台空間を多様に演出しました。
それは現代人にも感受出来るモノと確信します。今回も極彩色となり
皆様の心に刻まれることでしょう。
私事、今回は追善を意として、物語の中心に親子を彩って表現したいと思っています。
そこで難しいのは後場の法華経の功徳を、どのように解釈し演ずるかでしょう。
また、絢美との本格的な共演は初めてとなり、
これまでに玄祥先生に多くの舞台を踏ませて頂いている子ですので、
私にとって最もコワ~イ眼差しが間近から向けられている一番、心して勤めます。
能の他、狂言・仕舞も充実した一日です。是非ともご高覧賜りたく、ご案内申し上げます。
指定席7,000円 (通常8,000円)
自由席6,000円 (通常7,000円)
※ 正面席のみ指定席のご用意が可能です。
こちらでのお申込みで 1,000円引きのご優待を致します。